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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年4月30日 O.A.

#208 ダッカ発 大河に生きる村へ

バングラデシュ
地図

今回のバス旅の舞台はバングラデシュ。首都のダッカを出発し、国内最大の川・ジャムナ上流の町を目指します。乾季の今だけジャムナ川の中州に暮らしているという人に会いに行きます。
途中に立ち寄った村では、伝統的衣装である腰巻のルンギを、村人全員が手作業で作っていました。ルンギ作りを見ていたら暗くなってきてしまったので、今日はこの村の近くで宿を探そうと思いましたが、近くにホテルや宿泊施設は無いそうです。村人に協力してもらい、泊まれるところを探していると、なんと村の隣にあるイスラム神学校に泊まらせてもらえることに!全寮制の神学校で、先生や子どもたちとステキな夜を過ごしました。
ジャムナ川のシャリアカンディまでは、あと乗り換えが1回。その乗り換えの町は、ドイというバングラデシュのヨーグルトが美味しいとバスのお客さんが教えてくれました。乗り換えついでに、絶品バングラデシュヨーグルトをいただきます!
最後に辿り着いた、ジャムナ川上流の町。乾季で干上がったジャムナ川には大きな中州ができ、そこに家と畑を作って暮らしている人たちがいました。そこには、乾季と雨季によって全く違う顔を見せる大河・ジャムナと共に生きる人の暮らしがありました。

ダッカ

バングラデシュの首都・ダッカが今回の旅の出発点。町を歩いていると、バングラデシュの定番屋台料理『プスカ』を食べている若者たちがいました。このプスカを若者グループは、互いに食べさせ合いをしています。この食べ方は、仲が良い友だちの証拠なんだとか!それでは早速、ぼくも友だちの仲間入りさせてもらっちゃおう!
今回は、旅の目的地を決めるために、まず地図を買うことにしました。バングラデシュの地図を見てみると、国の真ん中に大きな川が南北に流れている。この大河はジャムナ川という名前なんだとか。この川沿いに行ったら面白いバス旅ができそう!町中でオススメの町を聞いて、バングラデシュのバス旅スタートです!

サスキア村(パブナ)

ダッカからまず向かったのは、腰巻のルンギ作りで有名だというパブナ。バスの車掌さんが言うには、機械織りならバスが走っている大通り沿いでも見られるらしいけど、手織りは脇道に入らないと見られないそう。せっかくなら伝統的な手織りが見てみたい!車掌さんにオススメの場所はないか聞くと、サスキア村を教えてくれました。辿り着いたサスキア村では、村人皆で協力して、いまも手づくりで腰巻のルンギ作りをしていました。お土産にルンギを買って帰ろうと思ったら、完成するのは明日の朝だとか。しょうがないから今夜は村の近くに泊まろう。宿泊施設が何もない田舎で、僕を泊めてくれたのは、なんとイスラム教の神学校!夜ご飯までご馳走になり、歌のようなコーランを聞かせてくれて、ステキな夜になりました。

ボーグラ

翌朝ルンギを買って、いよいよジャムナ川沿いの目的地・シャリアカンディに向かいます。ただその前に、ボーグラという町でバスを乗り換えなければなりません。ボーグラは、“ドイ”というバングラデシュのヨーグルトで有名らしい。乗り換えついでに、バングラデシュの絶品ヨーグルトをいただきます!果たして、その味は…!?

シャリアカンディ

乗り換えのボーグラからバスで30分、ジャムナ川沿いのシャリアカンディに到着します。ジャムナ川は、乾季になると水量が下がり、無数の中州が現れます。シャリアカンディでは、その中州で暮らす人に会えると聞いてやってきました。まずはジャムナ川を探して歩いていると、目の前には広大な砂漠のような土地が現れました。実は、そこが乾季で干上がったジャムナ川だったのです!そして遠くに見える小さな高台が、川の中州でした。中州へは干上がった川床を歩いて行けるのです!乾季の間だけ中州に家を建てて、畑を耕しながら暮らしているそうです。バングラデシュの季節とともに姿を変える大河・ジャムナ川に生きる人の暮らしに触れました。