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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2015年4月9日 O.A.

#205 アテネ発 エーゲ海の遺跡島へ

ギリシャ
地図

首都・アテネ

首都・アテネが今回の旅の出発点。4年ぶりの雪が舞う中、観光バスでアテネを巡ります。2階建てのバスからは、パルテノン神殿や美しい町並みを一望できます。たまたま降りた町では可愛い女子大生とギリシャのファストフード「ギロ」を頂きます。女子大生にはフラレてしまいましたが、その後訪ねたアンティークのお店では目利きのおじさんに出会うことができました。おじさんに南ギリシャ、ペロポネソス半島にある古い遺跡の島、モネンヴァシアを薦められ、旅の目的地はモネンヴァシアに決定。今日はライトアップされたパルテノン神殿を望むホテルに一泊し、明日からの旅に備えます。

ナフプリオン

朝イチでアテネのバスターミナルへ。遺跡の島モネンヴァシアへ行くはずが、夕方までバスがないというので、道中にあるという港町・ナフプリオンを目指すことに。バスで2時間半の道のりです。偶然出会ったレストランの人がタコ釣りに行くというので、同行させてもらいました。エーゲ海で初めてのタコ釣りに挑戦です。船長はなんとギリシャの海を愛するイタリア人。残念ながらタコは釣れませんでしたが、レストランで絶品のタコ料理を頂くことができました。海とレストランに集まる仲間たちに後ろ髪を引かれながら、ナフプリオンを後にします。

スパルタ

ナフプリオンを出てモネンヴァシアへ行くためには、トリポリとスパルタという町で乗り換えをしなければいけません。せっかくなので「スパルタ教育」で有名なスパルタの町に立ち寄ることにしました。スパルタの英雄・レオニダス像まで案内してくれたのはオリーブ農家の若者・ヨルゴ。彼は実家の農家を継ぐためにアテネから戻ってきたのだそうです。自家製のオリーブを食べさせてくれるというので、オリーブの収穫をお手伝いすることに。仕事を終えると、お母さんが手料理をふるまってくれました。夜には家にまで泊めてもらい、まるで家族の一員になったような、幸せなひと時を過ごしました。

モネンヴァシア

ついに遺跡の島・モネンヴァシアへ向かいます。ペロポネソス半島を南下すること3時間、目の前に一本の道と断崖絶壁の島が現れました。モネンヴァシアには紀元6世紀に作られた要塞都市の跡が遺されています。石造りの町並みはまるで中世にタイムスリップしたかのよう。たまたま出会ったおじさんに島の中を案内してもらいました。おじさんは今ではわずか15軒しか人が住んでいないというこの島で、奥さんと2人で生活しているそうです。彼の自宅のお気に入りのベランダからは、180度紺碧のエーゲ海が一望できます。絶景の下で飲むワインは最高。おじさんが一生ここで住みたいという理由が分かるような気がしました。