地球バス紀行トップへ戻る

地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年10月30日 O.A.

#183 メルボルン発 グレートオーシャン街道を行く

オーストラリア

地図

今回は、オーストラリアの南東部に位置するビクトリア州の州都メルボルンから、沿岸部を走る街道「グレートオーシャンロード」を駆け抜けます。

オーストラリアの第2の都市でもあるメルボルンでは、周遊バスに乗り、車窓に映る古い街並みを楽しみます。途中下車して路地裏に入ると、メルボルンの名物「落書きアート」を発見。ビルの壁や道路にびっしりと落書きが描かれています。市内には落書きを許可された場所が数カ所あるそうで、今や観光名所にもなっていました。

続いて訪れたのは、メルボルンからバスで約1時間半の海沿いにある町ジーロング。丘の上から海が見える絶景のワイナリーで美味しいワインと絶品の海鮮料理を頂き、1日目はジーロングに宿泊。ホテルを探すため、町中にある「HOTEL」の看板を掲げるお店に入ると、そこはホテルではなく、なんとバー。聞けば、オーストラリアでは、開拓時代多くのホテルはバーを併設していた。時代が流れ、今ではホテル経営をやめ、看板は「HOTEL」を掲げたまま、バーのみを営んでいる店が多いいそうだ。

翌日は、グレートオーシャンロードへ。この道は、ジーロングからさらに南西約30キロの地点からポートキャンベルまでの全長約250キロ、海だけでなく、山あいも駆け抜け多彩な風景が見られる観光街道です。
バスの車窓に海が見えてくるが、あいにくの空模様。かと思いきや、数分後に晴れたり、また雨が降ったりとして、天候がめまぐるしく変わっていく。バスにいた地元の人が言うには、この一帯は、「4シーズンズ1デイ」という「1日の中に、四季がある」と思わせるほど、天候が一定でないそうだ。

オーシャンロードの中で、最初に降りたのはローンという町。海を望む高級別荘が沢山あるらしく、地元の不動産屋さんに、1億5000万円のオススメの物件を見せて頂きました。ローンを離れ、2泊目はアポロベイという町のロッジへ。ここは、敷地内に野生のカンガルーやコアラを見ることができ、さらに夕食は、オーガニックにこだわった食事が頂けます。

旅の3日目は、グレートオーシャンロードの観光ハイライトへ。そこは海の中から、いくつもの岩が塔の様に突き出た「12人の使徒」と呼ばれる奇岩群でした。波と風が、長い長い年月をかけて、作り上げた自然の造形は圧巻です。

そして、ゴールのポートキャンベルに到着。ここで地元の画家夫婦と知り合い、穴場の観光ポイントを案内して頂きました。そこは、12人の使徒と同様に、波や風によって削られた岩群があるが、さらに同時に夕日も見られるという、地元の人達がオススメする絶景の穴場。天候不順なこの地域で、最後に見た美しい夕日は旅の最後を飾るにふさわしい光景でした。