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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年10月9日 O.A.

#180 バスで巡るフィレンツェの路地裏

イタリア

地図

今回の舞台は花の都フィレンツェ。迷路のような狭い路地が続く市内を、ミニバスに乗って巡ります。自由気ままなバス旅を満喫するはずが、トラブル続きの珍道中に・・・?最後は町を飛び出して、一路東へ。穏やかな風景が広がる、小さな集落を目指します。

市バスで巡るフィレンツェ

イタリア中部に位置するフィレンツェ。ここは言わずと知れた芸術の都。趣深い建物が並ぶ旧市街全域が、世界遺産に登録されているそうです。町の顔とも言えるのが、ルネサンスの奇跡と名高い花の聖母大聖堂”。エンジ色の大きな丸屋根が、澄み切った青空の中で美しく輝いていました。大聖堂の中に立ち入ると、そこには幾段にもなる階段が。一段一段上り詰めた頂上からは、フィレンツェの町を一望することができました。

ヴェッキオ橋

ヴェッキオ橋が素晴らしいと薦められ、ミニバスに乗って行ってみることに。この町の狭い路地も、コンパクトなバスならスイスイと進んでいけるだろうと思いきや、まさかの通行止め。仕方がなく、迂回ルートを進むのですが、あろうことか、運転手が道に迷ってしまいました。徒歩ならばほんの数十分しかかからない距離を、約1時間かけて、やっとの思いで目的地に到着しました。かなりの遠回りをしてしまいましたが、最後にはアルノ川とヴェッキオ橋の美しい景観に出会えました。

中央市場

バスの運転手に薦められて訪れたのは、中央市場。大きな建物の中にはありとあらゆる店が並んでおり、活気に満ちています。肉汁たっぷりのソーセージ、大きなサラミ、うま味が凝縮された生ハムなど、この地域特産の食材が目白押し。陽気で気さくな店主に薦められたのは、チーズにジャムをつける食べ方。定番のパスタやピザ以外にも様々な名産品があることを知り、イタリア食文化の奥深さを堪能しました。

知る人ぞ知る穴場スポット

ヨーロッパで一番古いメイクのお店では、血まみれのゾンビがお出迎え。さらに、とある路地裏では、フィレンツェ市公共のシャワー施設を発見。知る人ぞ知る穴場スポットを巡った後は、日中、骨董市を案内してくれた女性が経営する宿へ。代々受け継がれてきたというこの宿の部屋には、彼女のおばあさんの思い出の品々が可愛らしく大切に飾られていました。家族への愛情がたくさん詰まった空間で、ゆっくりと眠りにつきました。

アグリツーリズモ

最終日は、フィレンツェの郊外へと足を伸ばしてみることに。山奥にある小さな集落にある農園で、“アグリツーリズモ”という、農業体験に挑戦。トスカーナ地方特有の“黒キャベツ”を収穫しました。ニンニクとオリーブオイルでさっと炒め、パンに乗せれば、黒キャベツのブルスケッタの完成です。キャベツとは思えない歯ごたえと、ほのかな苦味が絶妙で、忘れられない味になりました。最後はバラ色に染まる夕暮れのオリーブ畑を眺めながら、今回の旅をのんびりと締めくくりました。