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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年7月31日 O.A.

#170 ブリュッセル発 北海沿岸オステンドへ

ベルギー

地図

今回の舞台はベルギー。首都ブリュッセルを出発し、一路西へ。目指すは北海沿岸の港町・オステンドです。美食の国ならではのバス旅が始まります。

ブリュッセル

旅の始まりは、首都ブリュッセル。旧市街の中心には、グランプラスという世界遺産に指定されている美しい広場があり、人々の憩いの場となっています。そんな広場を通り抜け、レストランが軒を連ねる路地へ。看板に誘われて入ったお店で、ムール貝の白ワイン蒸しに舌鼓を打ちます。ベルギー流のムール貝の食べ方を教えてくれた気さくな店主。彼に薦められ、海の幸を求め、北海沿岸の町・オステンドを目指すことに決めました。

メッヘレン

バスに乗り込み、いよいよグルメ旅が始まります。旬のアスパラガスが食べられると聞き、最初に降り立ったのは、メッヘレンという町。さっそく、八百屋のご主人に紹介してもらったアスパラガス農園を訪ね、町の中心から少し離れた場所へ。とても親切な夫婦が出迎えてくれ、収穫したてのホワイトアスパラガスを使った料理を振る舞ってくれました。ワインを片手に、奥さんの愛情のこもった料理をいただきながら、円満夫婦の秘訣を伝授してもらい、楽しいひと時を過ごしました。

ゲント

次に訪れたのは、ベルギー第三の都市・ゲント。宿泊先で相部屋になったディエゴくんに連れられ、夜の町へと繰り出します。名物のベルギービールを味わいました。翌朝、川沿いの道を散歩していると、船上生活をしている家族に遭遇。リビングが200平米もあるという、ご主人の自慢のボートハウスにお邪魔しました。そこで、郷土料理・ワーテルゾーイという煮込み料理をご馳走になりました。何百年も昔からある伝統料理だそうで、その時に手に入る野菜と鶏肉で作るのが特徴なんだとか。素材のうま味が詰まったスープに大満足でした。

オステンド

いよいよ最終目的地、北海に面した港町・オステンドに到着です。海辺の屋台では、新鮮な魚介類や食欲をそそる惣菜が目白押し。いい匂いに惹かれ、“海のエスカルゴ”として親しまれるツブ貝に挑戦しました。波止場を散策していると、地元の漁師さんに出会いました。彼のお宅に招かれ、子持ちヒラメのバター焼きをいただきました。聞けば、この地域では卵が入っているヒラメを食べるのは、漁師ぐらいなんだとか。知る人ぞ知る海の幸を味わえるなんて、はるばる北海沿岸までやって来た甲斐がありました。
行く先々でその土地ならではの食材を堪能した今回の旅。美味しい料理と出会った人々の優しさで、お腹いっぱいになりました。