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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年7月17日 O.A.

#168 カトマンズ発 神々の峰ヒマラヤへ

ネパール

地図

今回のバス旅の舞台はネパール。首都カトマンズを出発し、神々の山・ヒマラヤを目指します。道はガタガタで落っこちそうな峠道、途中にはバス会社のストライキなどのトラブルが続出。しかし立ち寄った町ではちょっとシャイだけどたくましく生きるネパールの人たちに出会いました。最後に辿り着いた町では、天候が冴えない中、うっすらとヒマラヤの山々が顔を出してくれました。

首都・カトマンズ

首都・カトマンズが今回の旅の出発点。人口500万人のカトマンズの中心部は、歩けないほど人と車に溢れています。一方、王宮やお寺が集まる静かなエリアでは、今なおネパールで信仰されている「生き神」、クマリと呼ばれる少女を見つけました。何でもクマリはめったに人前に現れないんだとか。都会の喧騒と伝統文化に出会った後はいよいよバス旅がスタート。土産物屋のおじさんに勧められ、まずは「ミティラーアート」と呼ばれる壁画で有名な町、ジャナクプルを目指すことになりました。

シンドゥリ

カトマンズから東南へ、途中の乗り換えの町シンドゥリまでは250km、8時間の道のりです。ガタガタの山道を屋根まで満杯のバスが飛ばし、シンドゥリに着く頃にはもうヘトヘト。でもバスで出会った陽気なおじいさんにフルーツジュースをご馳走に。長旅も忘れる美味しさでした。

バルディバス

さあ、目指すはジャナクプル。しかしここからジャナクプル行きのバスは午前中で終わりなので、途中の町バルディバスを目指すことにします。着いたのはヤギや牛しかいない町。しかもジャナクプル行きのバスはストライキで出ない!日も暮れそうなので今日は何もないこの町で一泊です。

ジャナクプル

翌朝バスでミティラーアートの町・ジャナクプルへ到着。2日がかりの道のりでした。訪ねた村で、壁画を描く女性に出会います。素朴で可愛らしい絵は、女性しか描いちゃいけないんだとか。お腹に赤ちゃんのいる象の絵は、確かに女性にしか描けない絵でした。

ダラン

次に訪れたのは東ネパールの流行の最先端を行く町、ダラン。町にはファッションの店で溢れています。町中で日本語を喋るおじさんに出会い、豪邸でお茶をごちそうになりました。実はこのおじさん、日本に出稼ぎに行っていたんだとか。ダランは出稼ぎ労働者たちによって発展していると知ります。そしてバス停では、出稼ぎに向かう父と家族との切ない別れがありました。

ヒレ

旅の最後に訪ねたのはヒマラヤを望む町、ヒレ。雲行きが悪い中、地元の銘酒「トゥンバ」を飲みながら晴れるのを待ちます。そして太陽が顔を出し始めた頃、ほろ酔い気分でヒレの丘に登ると、遠くにうっすらとヒマラヤの山々が出迎えてくれました。