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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年6月26日 O.A.

#165 ビラン発 美しきブレッド湖へ

スロベニア

地図

今回の舞台はスロベニア。港町ピランをスタートして山岳地帯までを旅します。そこには日本人が知らない絶景ポイントが盛りだくさん! 神秘的な湖に浮かぶ美しい教会。地下世界に隠された絶景。たどり着いた山岳地帯は一面の雪景色! そしてアドリア海で採れた豊かな海の幸と控えめだけどだけどとっても優しい人々との出会いが僕を待っていました。

ピラン

出発はスロベニアの端っこ、アドリア海に面した港町・ピラン。アドリア海を見下ろす丘の上からピランの美しい街並みを確認。赤い屋根と白い壁の家並みが真っ青な海と相まって美しい! こんな真っ青な海で獲れる海の幸が美味しくないわけがない! というわけで海沿いのレストランへ。目の前の海で獲れたばかりの魚介類がそのままワゴンで運ばれてきて、そこから調理するものを選びます。大きなオマール海老をいただき、グリル料理を堪能! さすが獲れたてはうまい! レストランのウェイターさんにスロベニアで見るべき場所を聞いたら「鍾乳洞はぜひ」と薦められたので、行ってみることにしました。

ポストイナ鍾乳洞

このポストイナ鍾乳洞はヨーロッパ最大級の鍾乳洞。世界中からの観光客でにぎわっています。入口から入ると、まずながいトロッコ列車が。これに乗って洞窟の奥を目指します。
10分ほどで下車し、そこからは徒歩で洞窟探検。様々な形の鍾乳石があり迫力十分! そしてここ最大の見どころは真っ白な鍾乳石。ほかの鍾乳石が茶色なのに対し、たった一つだけ真っ白なものがあります。ガイドさんによれば「一言で言うと奇跡」。たしかに奇跡のように美しい。ここに落ちる鍾乳石の成分だけが違うものになったというのはまさに奇跡です。洞窟を出たところで出会った姉妹に次の見どころを聞いたら「湖に浮かぶ島の景色」を薦められたので、次の絶景を探しに行くことにしました。

ブレッド

到着したブレッドの街。ここを高台から見下ろすと、大きな湖「ブレッド湖」が見えます。その湖の中にぽつんと島が。たしかに後ろの山や緑と相まって素敵な景色です。その島には教会らしき建物がみえたので、せっかくだからあそこまで行ってみることに。ボートに乗って上陸した島の教会は、なんでもそこの鐘を鳴らすと願い事が叶うと言います。さっそく自分も鐘を鳴らしてゴニョゴニョ・・・。ここの現地観光ガイドさんに次のオススメを聞いたら「美しい山々」を薦められたので、そこを目指すことに。

ボヒン

山の景色を眺められるケーブルカーがあるボヒン。バスを降りて乗り場に向かうと、なにやらみなさんスキーやスノボの装い。あれ?この上はまさかスキー場なのかな?そんなつもりは全くない軽装なんだけど。山頂に着くと一面の銀世界! そして完全にスキー場です。山頂はあいにくの曇り。晴れてたらもっとすごい山の絶景が見れたんだろうなぁ。ちょっとがっかりして地元のスキーヤーたちと話したら「どうしてあなたはスキーしないの?日本人はスキーが上手でしょ?」と声をかけられました。なんで?「ノリアキ・カサイはスロベニアではヒーローよ」「彼のジャンプはエレガント」「レジェンダ! 」「私たちは日本人に特別な敬意を持っているの」でも自分はスロベニアのことを何も知りませんでした。なんだか申し訳ない。「ユーゴスラビアから独立したばかりの小さな国だからしょうがないわ、この国を楽しんでね! 」最後に絶景は拝めなかったけど、絶景よりも心にしみる言葉をいただきました。もっとこの国のことを知らなきゃな。

スロベニアの絶景をひたすら追いかけたバス旅。海から山へ。沢山の絶景を楽しめた贅沢な旅でした。来る前は何も知らなかったスロベニア。多彩な顔を持つこの国が大好きになりました。