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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年5月8日 O.A.

#158 ストラスブール発 アルザス幸せの鳥を探して

フランス

地図

今回の旅は、フランス北東部のアルザス地方です。
旅の起点は、アルザスの州府ストラスブール。最終目的地として、中世からルネサンスの町並みが美しいコルマールを目指します。

ストラスブール

旅の始まりはアルザス地方最大の都市ストラスブール。世界遺産の旧市街を散策していると、土産物屋でコウノトリのぬいぐるみを見つけました。子どもを授けてくれるという伝承が有名なコウノトリは、アルザス地方のシンボルで、“幸せを呼ぶ鳥”としてこの地方で愛されているのだそうです。
その後、街で出会ったカップルから聞いた話で、南に80キロほど下った町コルマールの大聖堂へ上ればコウノトリを見られることを知り、旅の目的地をコルマールに決めました。

クラウターゲルサイム

コルマールへの乗り換え地点、オべルネへ向かう途中、バスで乗り合わせた男性にアルザスの名物であるという「キャベツの酢漬け」の製造工場が、クラウターゲルサイムという町にあることを教えてもらい、途中下車。飛び込みで、工場見学をさせてもらいます。さらに、見学が終わると、工場のオーナーの家に招かれて、大家族と共に出来たてのキャベツの酢漬けで作った「シュークルート」という料理をご馳走になりました。

バール

オべルネに到着後、オべルネ駅の駅員さんにコルマールへの行き方を聞きます。バールまでのバスならあることを知り、次はバールを目指すことに。早速バスに乗って運転手さんにバールからコルマールまでの行き方を尋ねると、バールからコルマールまでは電車しかなく、バスは出ていないとのこと。意気消沈の中、バールで降車。コルマールへ向かう手がかりを掴むべく、バール観光局に入りました。すると、観光局窓口で、スキー場のシャトルバスでシャン・デュ・フーという町に行き、そこからセレスタという町に向かえば、セレスタからコルマール行きのバスが出ているという情報を入手。ひとまず一安心したところで、気付くと外はもう日が落ち、すっかり暗くなっていたので、その日はバールで宿泊をすることにしました。

シャン・デュ・フー

翌日はバールからスキー場のシャトルバスでシャン・デュ・フーという町を目指します。そのシャン・デュ・フーでは、予想外のアトラクションを体験します。それは、広大な森を馬車でドライブすること。馬車の主が、明るく陽気に迎えてくれたので、青空の下、心躍る体験ができました。

コルマール

シャン・デュ・フーからバスで山越え、セレスタへ。セレスタからリボヴィレを経由してコルマールを目指します。旅の最終目的地のコルマールに到着した頃には、日が沈みかけていました。旅のクライマックスは、幸福の鳥・コウノトリ見物。町の大聖堂を訪ねると、コウノトリの管理を任されているという人物に出会い、塔の屋上まで案内して貰います。聞けば、そこからコウノトリが間近で見られるのだそうです。塔の屋上から、西の方角へ目を凝らすと、眼下にコウノトリの巣。しばらくすると、空の彼方から夕日を背にコウノトリがやってきました。ちょうど巣に帰って来たのでした。幸福にまつわる伝説が世界中で知られるコウノトリ。そんな幸福の鳥を求めて、アルザス地方を巡ったバスの旅は、ロマンチックに幕を閉じることができました。