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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年5月1日 O.A.

#157 ヴァレンサ発 北の古都巡り

ポルトガル

地図

今回の舞台はポルトガル。スペインとの国境沿いの町から世界遺産の町ポルトまで、北部の古都を巡ります。 石畳に、石の家まさに、古き良きヨーロッパ! 立派な古い教会に宿泊させてくれるホテルにも泊まります。バスで乗り合わせたのは、元気すぎるおばちゃんたち。そして、たどり着いた古都ポルト。旅情たっぷりの絶景が待っていました。
さあ、バスだ。みなさん、ご一緒に!

ヴァレンサ・ド・ミーニョ

ポルトガル北部、スペインとの国境のヴァレンサ・ド・ミーニョから出発。石垣に囲まれた城塞都市で、たくさんの布製品のお店が並ぶ。ポルトガルは良質の布製品が豊富で、国境をこえてスペインからたくさんのお客さんがやってくるんだそうです。お店のお兄さんに、北ポルトガルの見どころを訪ねると、ヴィアナ・ド・カステロとギマランイスとポルト、この国の古き良き美しい町並みが堪能できるこの3つがおすすめとか。というわけで2つの街を経由してポルトに向かうことにしました。

ヴィアナ・ド・カステロ

この街についたらもう日が暮れていたので、まずここで一泊。翌朝、いろんな人が薦めてくれた丘の上のサンタルジア教会を目指しました。ケーブルカーで登った丘の上には古くて美しい教会。その丘からはヴィアナ・ド・カステロの街が一望できます。大西洋を眺めているとお土産売りのオジサンが。買うつもりはなかったんだけど、街の歴史を教えてくれたお礼に買うことにしました。荷物が増えちゃった・・・。

ギマランイス

みなさんが異口同音に「この街はポルトガル誕生のシンボル」と言います。その謎を探るべく歴史地区へ。街角でここに住んでもう70年以上というおばあちゃんに話を聞いたり、ポルトガル料理を堪能できるレストランで昔ながらの料理に舌鼓。でもまだよくわからないのでさらに街を歩くと壁に書かれた文字「ポルトガルはここで生まれた」。通りすがりのおじさんに聞いてみると「ここは初代国王エンリケスの生まれた町で、ギマランイスがポルトガル最初の首都だったんだ」とのこと。だからポルトガル発祥の地、なんですね。 ついでに今夜の宿の候補を聞いてみると「ポザーダ」がおすすめとか。街の丘の上にあるというので、市内バスに乗って向かいます。乗り合わせたおばあちゃんたちに話しかけたら、みんなものすごく陽気!いつのまにか車内で大合唱! 「ここでは人生を歌って過ごすのよ」「みんな貧乏だけどあかるいの!」なんだかおばあちゃんたちにすごいパワーをもらっちゃいました。
到着した「ポザーダ」とは、立派な教会に併設された修道院を改装したホテル。むかしはここで、修道僧たちが修行に励んでいたんだそうです。街を一望できる部屋に今夜は一泊。いつもの安宿よりはかなり高くついちゃったけど、たまにはこういうところもいいよね。

ポルト

最終目的地・ポルトは世界遺産に登録されている街。バスで街にはいるところから、美しい景観が眺められました。下車して街を歩き、高台の眺望のよいところまで。ちょっと曇っていてどんよりしているけど、そのほうがこの街の景観に良く似合います。旅情たっぷり、古都巡りの締めくくりにふさわしい、最高のフィナーレになりました。さて、名物のポルトワインを飲みにいきますか!

スペイン国境のヴァレンサから、ポルトガル北部を駆け抜けた200キロ。会う人みんな、陽気で親切。人情味いっぱいのバス旅になりました。特に、あの元気すぎるおばちゃんたち。「人生は歌って過ごす」ってあれは名言!忘れません。 みなさん、いつまでもお元気で!
予定は未定。今回も、ハプニングがいっぱいでした。何よりうれしかったのは、見知らぬ乗客を明るく迎えてくれたこと。ポルトガルの懐にぎゅっと抱かれた、あったか〜い旅でした。