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地球バス紀行

毎週木曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2014年2月20日 O.A.

#147 台北発 東海岸公路を行く

台湾

地図

今回の舞台は、台湾。第一の都市、台北から東海岸を通り、台湾の最南端ガランビを目指します。最初に訪れたのは、台北から高速道路を使って約50分、近年、台北の人たちに人気の礁渓温泉。立ち寄った日帰り温泉施設の湯船には、大根や人参、昆布など、様々な野菜や海産物が入っています。どれも体に良いようだとのことですが、地元の人たちも、あまりよくわかっていません。健康よりも、温泉はレジャーとしてどれだけ楽しめるかが、台湾の人たちにとっては重要なようです。

最南端を目指すため、礁渓温泉から近くの宜蘭まで行き、さらに海岸沿いを通り、南方面へ行こうと思いましたが、南に行くバスは、すでに廃止になっていました。困っていたところ、山側を迂回すれば、南方面に行けるとのこと。安堵したところでしたが、そのバスは、翌日朝まで便がないとのことで、1日目は宜蘭で宿泊することに。ホテルを決め、屋台が立ち並ぶ台湾名物、夜市へ。とても美味しい水餃子の店と出会いました。

2日目、山あいにある梨山へ、約3時間半かけ到着。今度は再び海沿いに戻る花連行きのバスに乗り換えですが、なんとこのバスが出るのは4時間後。という事で、歩いて1時間はかかるという「梨山老母」という道教の神様が祀られているお堂へ。この「梨山老母」に線香をお供えすると、どんな願い事も叶うそうです。
梨山老母でお参りをし、再びバス旅へ。花蓮へ向かいます。バス内には、台湾の先住民タロコ族のおばあちゃんがいました。台湾の東部には、たくさんの先住民が住んでいるそうです。このタロコ族のおばあちゃんは、半年間の出稼ぎを終えて、自宅に帰る途中。降りるバス停に着くと、そこには大喜びのお孫さんや家族が待っていました。その喜ぶ姿は、何とも感動的です。終点・花蓮に着いたのは、夜8時だたので、2日目はここまでにしました。

旅の3日目。いよいよ海沿いの道をバスで通ります。車内には、中国の天津とマカオから、若い女性2人と出会います。2人はインターネットを通じ知り合い、台湾に来ました。若い人たちにとって、今やネットでの出会いは普通の事のようです。せっかくなので、同行させてもらい、磯崎ビーチで途中下車して、海を満喫します。2人の出身地には、海はあるものの、キレイなビーチがないため、この台湾の東海岸に来ることが夢だったようです。2人と別れ、再び南下。安朔という町では、先住民のパイワン族と出会います。過疎化に悩む彼らは、昔から食べていた郷土野菜を、台湾中に売り出そうと努力していました。

そして、ついに最南端のガランビへ。バスを降りると、そこはガランビ公園。その公園内に台湾の一番南があると思いきや、ガランビは、地域としては最南端ではあるけど、さらに本当の一番南は、近くにある「台湾最南点」だと地元の人に教えて頂きます。こうして、何とか台湾の一番南へ到達。簡単に着くかと思いきや、意外に3日間かかった台湾の旅でした。