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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2011年6月28日 O.A.

#13 クメール王朝古都巡り

カンボジア

地図

20数年に渡る長い内戦を経て、いま目覚ましい復興をとげようとするカンボジア。
東南アジア最大の湖トンレサップ湖を有し、メコン川が流れる水の恵み豊かな国です。
今回のバス旅は、その水の利が育んだアンコール文明の都を目指す旅。
かつてインドシナ全域を支配したクメール王国の歴史と文化を感じながら、旅人は現在の首都プノンペンからかつての王都アンコールワットへバスを乗り継ぎます。

鉄道はまだほとんど貨物のみ、というこの国では、長距離バスこそが移動手段としてポピュラーな存在。バスターミナルも大きな荷物をかかえた人たちでにぎわっています。
プノンペンから目的地アンコールワットのある町シェムリアップに行くまでの道すがら、かつてクメール王国の都が置かれた古都ウドンに立ち寄ったりと、好奇心にまかせて途中下車していきます。

東南アジア最大の湖トンレサップ湖では湖に住む一家と出合います。雨季には琵琶湖の22倍の大きさになるという雄大な湖で、その恵みを糧に何千年も生きてきたクメール人の暮らしはまさに“水の民”にふさわしい暮らしです。アンコール遺跡の壁画にもなっている彼らの姿に悠久の歴史を感じます。
最終地点シェムリアップは、言わずと知れた世界遺産アンコールワットの町。クメール王国のシンボルでもあり神々の住む場所でもあります。そんなシェムリアップの町では、アプサラなど、王様に捧げるための芸能が古より盛んだったそう。ポル・ポト派の粛清をうけて一度は絶えた芸能が内戦後少しずつ復活しており、中でも歴史のある影絵芝居「スパイク・トム」の工房を訪ねます。
最後に目的地のアンコールワット遺跡を、その姿をみるのに一番美しいと聞く早朝に訪れ、背後から昇る朝日とともに心ゆくまで堪能しました。