地球バス紀行トップへ戻る

地球バス紀行

毎週火曜21時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年9月17日 O.A.

#126 ヘルシンキ発 アートの村を巡る

フィンランド

地図

今回の舞台は、北欧、フィンランド。
首都ヘルシンキから、世界遺産の町ラウマまで、白夜の季節を駆け抜けます。

バカンスシーズンを迎えて、誰もが、太陽を浴びに、外へ繰り出す季節。
そしてフィンランドといえばすばらしいデザインや工芸品の数々。職人さんの世界も覗きます。そして、みんな大好き、永遠のゆるキャラ! 本場ムーミンワールドでムーミン一家とご対面!さあバスが来た、もう旅は始まってますよ〜

首都 ヘルシンキ

最初に訪れたのはフィンランドの首都ヘルシンキ。夏のフィンランドは白夜のシーズン。そしてバカンスシーズンの真っただ中でみんなどことなく楽しそう。中心部で大統領官邸の衛兵交代パレードを運よく見物。警備していた地元のお巡りさんにフィンランドで行った方がいい場所を尋ねると、「ラウマ」という世界遺産の町を薦められました。古い木造建築の街並みの残る世界遺産の町。目的地はそこにすることにしました。
バスターミナルに向かっていると、「ヘルシンキ・デザインガイドストア」なるお店を発見。フィンランドといえばデザインセンスの秀逸な家具や小物たち。これは見ておくべき!とお店に入ると、案の定、様々なデザインの工芸品の数々が展示販売されています。店長さんに話を聞くと、これらの多くはフィスカルスという芸術家が集まる村に住むアーティストたちが作っているのだそう。店長さんはそこに住んでいるので案内してくれると言ってくれました。お言葉に甘えてラウマに行く途中フィスカルスに寄り道決定。

アーティストの村 フィスカルス

ヘルシンキからバスで1時間半、フィスカルスはもともと有名なハサミブランドの工場があった村。その工場が移転したあと、その跡地を若い工芸家や職人たちにアートの発信地として開放したそうです。いまでは120人ものアーティストたちが住み、日々作品を作っているんだそうです。
フィスカルス在住のデザインストア店長・ユタさんの案内で、紙漉きアーティストや鍛冶職人のお仕事を見学。この町自慢のチョコレート工房でカカオ80%の濃厚チョコケーキも堪能!みなさん、自分の仕事に誇りを持って作品作りに励んでいました。

古都 トゥルク

フィスカルスの鍛冶職人さんに薦めてもらった次の寄り道先はトゥルク。ヘルシンキに首都が移る前にフィンランドの中心だった街。日本でいえば京都のようなところ。そのこ野外博物館では、昔ながらの職人の仕事が見られるのだとか。行ってみると、昔の街並みが再現してあり、19世紀の衣装に身を包んだ人たちが案内してくれます。さながら明治村のような場所。その中で靴職人の女性の仕事を見せてもらいました。ここにも伝統のものづくりを守る人に出会うことができました。

ムーミンの島 ナーンタリ

途中、バスで隣になったおじさんにナーンタリという町を薦めてもらいました。ここはなんとあの有名なムーミンの島があるんだとか。島一つがムーミンのテーマパークのムーミンワールド。島までの長い橋を渡ると、そこにはおなじみのキャラクターたちがいました。子供たちは本当に大喜びでムーミンたちに抱きついてます。いろんなブースが並ぶ中、顔や腕にムーミンを描いてくれるブースに立ち寄り。芸術の国だからさぞかし上手に描いてくれるのかと思っていたら…バイトの高校生、まるで人相の悪いカバを描かれてしまいました。とほほ。

世界遺産の街 ラウマ

ナーンタリからバスで2時間、いよいよ最終目的地ラウマです。18世紀に建てられた木造住宅の残る街。その街並みが世界遺産に認定されています。ヨーロッパの古い街って石造りの印象が強いけど、そこはさすがに森の国フィンランド。木造りの街並みはなんだかほっとします。バスで乗り合わせたご婦人もラウマのお姉さんのところでバカンスを過ごすとか。暮れない太陽のもとでフィンランドの人たちは北欧の短い夏を楽しんでいました。

北国フィンランドに光が溢れるひとときのバカンスシーズン。太陽よりまぶしかったのが、フィンランドっ子の笑顔でした。しかも、みんな、めっちゃ親切。あの親切って、どっからくるんだろ?そうだ、もしかしたら、冬の厳しさが、やさしさを育むのかな・・・

ヘルシンキ発ラウマ行のバス旅。
たくさんの親切にいざなわれ、快適で、オリジナルな旅ができました!