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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年7月16日 O.A.

#117 プサン発食の都チョンジュへ

韓国

地図

今回は、韓国の南東部の港町・プサンから、全国のおいしいものが集まる“食の都”チョンジュまでのバス旅です。

プサン

出発地・プサンでは、巨大なタコやエイまで豊富な魚介類が集まるチャガルチ市場へ。市場の魚介を使って料理を食べさせてくれる店でコチュジャン風味のアナゴ料理を堪能。その味は、その店のご主人の出身地、“食の都”チョンジュの味でした。ご主人から、本場、チョンジュのビビンバを食べるように勧められ、チョンジュを目指すことにしました。

チョンジュまでの道のりには、他にもおいしいものあるといいます。そのひとつがトンヨンの牡蠣。まずは、トンヨンの牡蠣を求めて、ターミナルへと向かいます。

コジェ島

トンヨン行きのバスに乗り、到着したところは・・トンヨンではなくコジェ島。乗ったバスは、トンヨンのひとつ手前のコジェ島までのバスだったのです。せっかくなので、コジェ島を散策することに。夕方、たくさんのバイクの集団に出会います。しかもみんな同じ服。実は、コジェ島は韓国有数の造船の島。造船所で働く人たちのバイクでの帰宅ラッシュに遭遇したのです。島の飲食店も、仕事終わりの一杯を楽しむ造船所の人で込み合っていました。造船所のおじさんたちと意気投合!サムギョプサルと焼酎をご馳走になり、そのまま島に一泊することに。

トンヨン

翌日、牡蠣を求めてトンヨンに出発します。バスの中からは、牡蠣の貝殻でできた巨大な山が連なる奇妙な風景を見つけます。山を作ったのは、地元の牡蠣の加工工場でした。そこで剥きたての新鮮な牡蠣をご馳走に。さらに、偶然に出会ったおばちゃんに家へ招待してもらったりと、トンヨンの町の人たちの優しさに触れました。

スンチャン

次の目的地、チョンジュまでの道のりは、穀倉地帯。韓国一の米どころだといいます。米どころの町で途中下車。そこはコチュジャンで有名なスンチャンという町でした。コチュジャンを売る雑貨店で、店主のおじさんから近所の家で手作りのコチュジャンを味わってみることを勧められます。周辺を散策して出会ったお宅では、もち米を使って各家に代々伝わる手づくりのコチュジャンを作っているそう。工場の味とは全く違うコチュジャンは、辛さの中に甘さがあるお袋の味でした。

チョンジュ

旅の最後は、チョンジュ。人情と味の町とも言われるチョンジュで立ち寄った居酒屋では、マッコリひとつの注文に食べきれないほどの“おつまみ”のサービスが・・・これこそがチョンジュの“人情と味”の象徴なんだそうです。そして、居合わせた客と意気投合し、マッコリの乾杯と重ね・・・朝・・・気が付くと知らないお宅に。昨日、一緒になったおじさんが家に泊めてくれたようです。さらに、おじさんが教えてくれたビビンバ屋でチョンジュ名物・ビビンバを堪能します。20種類以上の具材が入ったビビンバにはチョンジュの人情がぎっしり詰まっていました。