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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年7月2日 O.A.

#115 ミラノ発 エミリア街道 古都巡り

イタリア

地図

ミラノ

北イタリア最大の都市ミラノ。町の中心にある有名なドゥオーモ広場から旅を始めます。観光客でごった返す広場を後にして、辺りを散策していると、行列のできている売店を見つけました。イタリア名物の“ピアディーナ”の人気店のようです。クレープに似た生地にハムや野菜を挟んだ手軽なB級グルメ。早速堪能しました。腹ごしらえが済んだら、バスに乗って本格的に旅のスタートです。今回は、古代ローマ人が切り開いた「エミリア街道」を辿ります。ピアチェンツァとリミニを結ぶ、およそ300キロ。ゴールには紺碧のアドリア海が待っています。

ピアチェンツァ

ミラノから、エミリア街道の入り口の町、ピアチェンツァへ。車内で知り合った、音大生のアンドレアくんの厚意で、ピアチェンツァを案内してもらうことになりました。エミリア街道の入り口には、立派なモニュメントが立っていました。そして、ここから始まる道の果てには、アドリア海…。アンドレアくんは、このままパルマに向かうということなので、一緒についていくことになりました。

パルマ

音楽学校に通うアンドレアくんと一緒にパルマで下車。彼の学校に案内して貰いました。校内には音楽家を目指す若者たちの素敵な演奏が響き渡っていました。アンドレアくんは、出会いの記念に即興ジャズを披露してくれました。学校見学を終えると、気がつけばもう夜。するとなんと、アンドレアくんの先生の家に泊めて貰えることになったのです。先生の家に泊まるなんて、思いもよらない体験でした。翌日は、先生のお薦めで、モデナに行くことに決めました。

モデナ

翌朝。パルマからバスに揺られること3時間、モデナに到着しました。目当てはこの町名物“バルサミコ酢”です。町を散策中、バルサミコ酢工房を発見しました。ジョルジョさんという一家が営む工房です。貯蔵部屋には100年以上も前の酢の樽がありました。ご主人の計らいで、本場のバルサミコ酢料理をごちそうになります。ほんのり酸っぱいバルサミコ酢は、バス旅で疲れた体を癒してくれました。

ボローニャ

バスの中で、考古学者の男性に出会いました。彼が薦めてくれたのが、ボローニャの競馬場。途中下車して早速その競馬場へ向かいます。初めてのイタリア式競馬場でしたが、雰囲気は日本と変わらず、活気にあふれていました。大切なバス代金を賭けて、手に汗握る、競馬予想にも挑戦。結果は…、大当たり!今日は、最高にラッキーな1日になりました。明日はいよいよ終点の町、リミニです。

リミニ

港町リミニに到着しました。ついにエミリア街道の東の果てに辿り着きました。目の前にはアドリア海がどこまでも広がっています。ミラノからリミニまで、ローカルバスを乗り継いだ、およそ300キロの道のり。街道沿いの古都で出会ったのは、グルメに音楽、それにたくさんの笑顔。心優しいイタリア人の、あったかいソウルに触れることができました。