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地球バス紀行

毎週火曜22時オンエア

人間の鼓動に出会う旅、一篇の旅物語
旅の案内役は「バス」です。大陸を横断する長距離バスから都市部を毛細血管のほうに走り回る生活導線バス。早足の旅ではけっして見えて来ない車窓の風景が、乗り合わせた人との出会いが、いろいろな物語を紡ぎだしていきます。

2013年4月23日 O.A.

#105 ナイロビ発大草原から紺碧のインド洋へ

ケニア

地図

今回の旅の舞台は、ケニア。 近代化が進みビルが林立する首都「ナイロビ」を出発し、まずは野生動物が多く生息する「ツァボ国立公園」を目指します。アフリカならではの大自然に包まれ、野生動物ウォッチングを楽しんだ後は東へ。インド洋に沿って点在する町を北上しながら最終目的地である「ラム島」を目指す800キロの旅です。 途中、様々な人たちと出会いを重ね、ケニアの素顔に迫ります。

近代化が進む首都・ナイロビ

首都・ナイロビが今回の旅の出発点。近代化が進む街中は高層ビルが立ち並び、交通量も多く人々の活気が溢れていました。立ち寄った土産物屋では観光客に人気だという動物の置物がずらり。店員さんの勧めで、まずはケニア最大の国立公園「ツァボ」で野生動物ウォッチングをすることになりました。早速、ガイドさんの待つ「ムティトアンディ」までバスで移動します。

野生動物に出会える町・ムティトアンディ

ナイロビを出発したバスは東へ。都心部を離れると広大な大地を貫くように一本道が続いています。道路の脇では牛や羊などの家畜を連れて歩く人の姿も。およそ5時間で「ムティトアンディ」に到着。無事ガイドさんと合流したものの、すでに夕暮れが迫っていたため、この日は国立公園内のロッジに宿泊することになりました。翌朝、小雨がパラつく悪天候でしたが野生動物ウォッチングに出かけます。すると次第に天気が回復し、ゾウやキリンなど沢山の野生動物と出会うことができました。

インド洋に面したケニア第2の都市・モンバサ

再びバスに乗り込み、次はインド洋に面したケニア第2の都市モンバサを目指します。
荒々しい運転や事故渋滞に面食らいながらも、なんとか3時間程で到着。アフリカ大陸の玄関口として好立地であったこの町は、古くからヨーロッパやアラブの国々が統治合戦を繰り返してきたそうです。その名残からか、町を散策しているとイスラム風の建物や“ブイブイ”というムスリムの衣装を着た女性たちの姿が多く見られます。そんなモンバサも今では人気の観光地。リゾート客や地元の人で賑わうビーチ沿いのレストランでは、インド洋でとれた新鮮なシーフードを味わうことができました。

呪術師が活躍する町・マリンディ

翌日、レストランの店員さんオススメのインド洋に浮かぶ「ラム島」を目指し、再びバスへ乗り込みます。道中、乗客と話していると「マリンディ」という町には“呪術師”がたくさんいると教えてくれました。怪しさを感じつつも興味を惹かれ、思い切って途中下車することに。地元の人が教えてくれた有名な呪術師のもとを訪ねると、雑草から薬を作ったり“星のカケラ”だという謎の物体を削りお守りを作ったり…。患者の人に話を聞くと、体調が悪くなると病院や薬局には行かず必ず呪術師を訪ねるとのこと。さらに、対人関係など“心の悩み”までも呪術師が解消してくれるのだと言います。
マリンディに根ざす呪術師の不思議な世界を体験しました。

インド洋に浮かぶ島・ラム

いよいよ最終目的地「ラム島」へ。途中、舗装道路から土の道の悪路へと変わりますがバスはたくましく走り続けます。バスを降り、モーターボートに乗り換えようやくラム島へ到着。島の中では車が走っておらず、島民の足は“ロバ”なのだといいます。通りには人や荷物を乗せて歩くロバで溢れていました。せっかくなのでロバにまたがり迷路のような路地が続く旧市街を散策。その後、地元の漁師さんにアラブから伝わったという伝統のダウ船に乗せてもらい沖合へ。夕日に照らされる広大なインド洋を眺めて旅を締めくくります。